『男性』不妊

不妊と聞けば女性不妊をイメージするかもしれませんが、男性不妊もきわめて一般的な症状です。このブログでは男性の不妊についていろいろと紹介します。

精液検査の信頼性について

精液検査は一度の費用が5,000円程度です。これは医療機関に持ち込んだ際の費用で、自宅でキットを用いてデータを送る場合はもう少し安く抑えられるかもしれません。

とはいえ決して安いとは言えませんので、精液検査を何度もやるというのは憚られます。それに採血室ならぬ採精室で精液を専用の容器に収めるというのも、なかなか面倒なものです。

しかし、一度の精液検査の記録というのはかなりあてにならないものです。というのは、精液の状態というのはとても不安定だからです。以下の図をご覧ください。1ー5まで番号が振られている5人の被験者の精子の状態(左が精子数、右が濃度)の変遷です。個人間の差異はもちろんですが、同一個人でも時期によってかなり上下しているのがわかります。

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個人における精子の状態差(ソース:WHO資料)

WHO laboratory manual for the Examination and processing of human semen第5版(2010年)9ページの図2.1より引用。当該資料は無料で公開されています。

www.who.int

一回の精液検査では、その日の状態がとても良いのか、それともとても悪いのか、あるいは平均値・中央値・最頻値に近いのか、全くわかりません。WHOが引用する研究によれば2-3回は検査をするとよいとあります。

私も過去に4度精液検査を試しましたが、最大で精子濃度では20*100万/ml、運動率では10%ほどの差がありました。上図の1-4の「精子力」が高い被験者と比べれば些末な差のようですが、私の精子濃度の場合、最低が26*100万/ml、最高が48*100万/mlですので、倍程度違うということになります。

これは対策によってどんどん良くなったというよりかは回によってばらつきがあるという感じでした。前者ならよかったのですが――ただ(私に関してですが)精液量については比較的安定していました。精液量は当然、禁欲日数に依りますが、同じ禁欲日数に保っていれば同程度の精液量が見込めるかもしれません。